キャンベラ外遊び隊

オーストラリアの首都、キャンベラの美しい自然の中で、一年を通して子供と外遊びを楽しむ会。

今、大切なもののために手放す

昨日は、上の子の日本語幼稚園の卒園式。

キャンベラには、毎週土曜日、楽しみながら日本語や日本文化を学べる幼稚園がある。上の子も年中から2年間通った。

工作や歌、絵本などを通じて、日本語に触れる。母親以外の日本人の先生から日本語を学ぶ、貴重な時間だったと思う。
子どもも、楽しい時間を過ごして、「できたよ!」って、プリントや作品を見せてくれて、その笑顔を見るのがうれしかった。

でも、4月以降、周りの同級生たちが進学するなか、さらに上の学校には通わない。

だから、土曜日の朝、バタバタと準備をして日本語幼稚園のある高校まで行く生活もこれで終わり。

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なぜ???

一つは、家庭の事情

夫が仕事をしつつ、大学に行っているので、平日朝早くから夜遅くまで帰らない。しかも土日も勉強で、家にいない。大学が終わる今年中頃まで、ほぼワンオペ生活。

そんな中、下の子が2歳で自我が強すぎて気分屋なので、何時に○○へという決まった約束があっても、間に合ったためしがない。上の子の現地校の送り迎えですら一仕事。それをほぼ自分だけでこなさなければならない。(夫がなるべく協力してくれるとは言え、基本的には期待できない。)
「遅れてはいけない」と思ってしまうと、さらにプレッシャーになって、その日が終わるころにはへとへとになる。子どもにもイライラ当たってしまう。

きっと両立できる人にはできるのだろう。でも私にとっては、土曜日までそれがあると、自分の体と心が疲弊していまうのが目に見えていた。特に、これから夫が大学の試験やアサイメントで、家庭に時間を使えないのが分かっているから、自分への負担が増すと予想される。

一応、一時的なこととは言え、それでもその間、どれだけ自分が楽できるか考えたら、土曜日の日本語の学校は諦めることにした。他の習い事も一切入れてない。


そういう意味では、「自分のため」でもある。

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もう一つの理由は、子供の気持ち


キャンベラには、日本語幼稚園の後、進学できる学校が二つある。日本語補習校と日本語学校


日本語補習校は、日本の教科書を使って、日本のカリキュラムに沿って教える。日本から帯同できた子供たちも通う。

日本語学校は、オーストラリアに永住する子供たちが日本語や日本文化に触れる、日本語を継承していく学校。(しかも、私がたまにアシスタントしていた所。)

日本語を子供のうちからずっと習わせたい、うちのような家庭にとってはパラダイスのような環境。(しかも、実は他にも選択肢がある。)

どちらも通う利点があって、決めかねていた。

 

もうここは子供に聞くしかないと聞いてみた。選択肢は下の3つ☟

  • 日本の教科書を使い、日本のカリキュラムに沿って勉強する補習校(宿題もあり、漢字テストもあったり、勉強量は多いけど、日本の子たちと出会える場)
  • オーストラリアにずっと住む予定の子たちのための日本語学校(宿題は少なくて、学びもゆっくり。でも、同じような境遇の子たちと日本語を学べる場)
  • 母と一緒に家で日本語を勉強する

(注:個人の主観が混じっています)

 

子どもの答えは、

「お母さんと家にいたい。」

鶴の一声です。

 

もし、子供がもっと学校で勉強したいと言ったら、大変でも土曜日も通えるよう協力したかもしれない。でも、本人が家にいたいと思っているのに、無理やり連れて行って、親も子も疲れてしまうのは、本末転倒。

そうやって、頑張っている家庭もある。だから、これは私たち家族が選択したことで、そうしている家庭を批判しているのでは、全然ない。
もちろん、厳しく日本語を使うようにしてくれたから、今、日本語ができて感謝しているという大人の日本語話者も知っている。

でも、それでも、私は本人がどんな気持ちでいるのか聞いて、それを尊重したかった。
だから、聞いた結果が「家にいたい」なら、一緒の時間を楽しもうと思った。

今、私にとって大切なのは、

  • 自分の心と体
  • 家族との時間

だから、キャンベラにいて、日本語環境も用意されているのに、もったいないのかもしれないけど、それでもそこに行かない選択をした。

 

子供たちに小さいころから日本語を学んでほしいとずっと思っていた私にとっては、大きな手放し。
そこにあるのに、周りが選択しているのに、それを選択しないこと。どうなるのか不安もある。たくさん迷うかも。

でも、身軽にも感じる。

 

もちろん、日本語は諦めない。キャンベラには博物館や美術館などいろいろな施設がたくさんある。3年住んでいるのに行ったことがない場所もたくさんある。


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旧国会議事堂。こんな施設が身近にあるキャンベラ。


そんな場所を訪れながら、家族の時間を楽しみながら、少しずつ日本語を使っていきたい。

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