【誕生日に思うこと】ーー 夜の後には朝が来る
◇この記事は、ずっと書いたまま投稿できなくて下書きフォルダに眠っていた。今日は誕生日でもなんでもないけど、読んでてハッとしたから、加筆修正して投稿することにした。
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去年の誕生日、たまたま家族で遠出。
朝、陽の登る前に出発。寒くて、暗くて、ちょっとまだ眠い。長距離トラックも走っていて、暗いから余計に大きく見えて、こっちに迫ってくるようで怖くなる。
それでも車は高速道路を進んでいき、真っ暗だった空が、だんだん明るくなってきた。「あ、朝が近づいてきた」と思っていたら、目の前から日の光が差し込んできた。
誕生日の朝は、山の展望台から日の出を見るのがうちの恒例行事だから、この風景に出会えたのは嬉しい。
目的地に着いて、朝ごはんを食べようってことになって、土地勘のない街で家族と一緒に歩いて行く。
都会のビルやお店の立ち並ぶ車がビュンビュン通る道を歩いていたら、ぽっかりと空いた広い芝生のスペースを見つけてホッとする。
子どもが「誕生日おめでとう〜」と、渡してくれた綿毛に気持ちが上がる。
良さげなカフェをネットで見つけてそこに行くことにしたけど、思ったより遠くてだんだん子どもたちが疲れてくる。
なだめすかして励ましてなんとか着いたら、すごく雰囲気のいいカフェで、食べ物も美味しくて、スタッフもフレンドリーで「頑張って歩いてきて良かったねぇ」と、みんな。
この頃は夫の癌が発覚して手術をしたたばかり。でも転移していて、次の週から抗がん剤治療が始まるし、誕生日を素直に楽しむ気にもならず、人生の夜の部を過ごしている感じだった。
でも、この日の出来事が『明けない夜はないよ。夜の後には朝が来る。大丈夫だよ。ゆっくり一歩ずつその瞬間を楽しんで、穏やかに過ごせばいいんだよ。』と、伝えてくれた。
不安に押しつぶされそうになった時は、もう一度あの日の光に包まれた瞬間を思い描くことにしよう。輝きを。暖かさを。
そうしたら、また大丈夫って思えるから。